訪問歯科

『口の汚れが、健康を左右する事!』知っていますか?!

病気や障害のために歯医者にかかれない人へご自宅で、桜川歯科医院のスタッフと一緒に、口腔ケア介護、はじめてみませんか!?

1.はじめに

1)口腔ケア介護を、はじめましょう。

日常的なセルフケアは、少しの介護で病気や障害を持った人でも続けることができます。 食事や排泄の世話はこまめにしても、口の中の掃除は後回し!なんてことありませんか? 『老人臭』という高齢者特有の臭いは、実は口腔ケア不足の口臭が原因でもあります。 「たかが口の中の汚れで死ぬことはない。」なんて軽視していませんか?

口の中のトラブルは、食欲が落ちて体力が減少し、口の中の細菌で『誤嚥性肺炎』をおこし、命を落すことがあります。

他人の口の中は、なかなかのぞきにくいものですが、強い口臭がするとか、食が細くなった、最近よく熱をだすなどの症状が見られる場合は、口腔ケアが不十分な可能性があります。

ケア方法を見直し、口腔ケア介護を始めましょう。

お口は、生き生きとした高齢期を快適に送るために最も大切な器官です。とは言っても、高齢者や病気や障害があり寝たきりになっている老人の体調は、日時によってかなり変化します。 口腔ケアは、毎食後行うことが理想ですが、無理をせず、体調の良いときに行うことが大切です。

2.病気や障害のある方への口腔ケア

1)片麻ヒがある人

片麻ヒによる運動障害や感覚障害があると、どうしても麻ヒ側の口の中が汚れやすくなります。

< 注意事項 > 

  1. 座ることのできる人
    麻ヒのある側にクッションなどをあてて、身体を安定させます。麻ヒ側を鏡に映してブラッシングすると麻ヒ側を意識して磨くようになります。
  2. 座ることのできない人
    自分で磨ける人は、麻ヒのある側を下にして横向きに寝かせます。麻ヒのない方の手で歯ブラシを持ってブラッシングしてもらいます。自分で磨けない人は、麻ヒのない側を下にして、横向きに寝かせて、介助しながら磨いてあげます。
2)パーキンソン病の人

手のふるえやこわばりが起こると、歯ブラシが持ちづらくなるので、介助者がサポートします。

  1. ふるえのある時
    介助者が手をそえて支えてあげます。
    クッションなどを当てて身体を安定させます。
    床にしっかりと足をつけて座ってもらいます。
3)関節リウマチの人

関節リウマチの人は、手や指の関節が変形し、歯ブラシが握りづらくなります。
顎の関節が変形する人は、口が開かなくなります。
歯ブラシを持ちやすいように工夫してあげましょう。

  1. 歯ブラシの柄にスポンジやタオルを巻いて、握りやすくします。
  2. 歯ブラシの柄に割ばしなどを固定して、柄を長くしてあげましょう。
  3. 歯ブラシの柄を握りやすい角度に曲げて調整してあげましょう。
  4. 歯ブラシの柄が輪のように曲がっているものや、形を自由にかえられるものを用意してあげましょう。
4)認知症の人

認知症の症状があると、歯磨きや、うがいを忘れたり、歯磨きや、うがいの方法がわからなくなることがあります。

また、入れ歯をしていることを忘れてしまう人もいます。
うまくできないからと、しかるのではなく、危険なことをしないように見守ってあげましょう。

  1. 歯磨きのやり方を忘れてしまったとき
    歯磨きのやり方を忘れてしまったり、うがいの水を吐き出すことを忘れてしまった時は、介助者もいっしょに歯磨きを行うと、自然にできる場合があります。

病気や障害があるからといって、なんでもやってあげるのではなく、なるべく本人に任せましょう。そして、できないことを介助してあげるようにしましょう。

3.できるだけ自分で食事ができるようにしましょう。

高齢者の使わない機能は、どんどん衰えていきます。

高齢者が自分の手で食事をするということは、手や指を使うリハビリテーションになりますし、自尊心や自主性を保つことができます。

介助者が介助した方が早いと思っても、できるだけ自分の力で食事をしてもらうようにしましょう。自分で食事ができればおいしさも増します。

1)使いやすい食事用具を用意してあげましょう。
  1. 滑りにくいトレイや食器
    滑らないものは、片手でも食べることができます。
  2. すくいやすいお皿
    片方のふちが高くなっているお皿は、すくいやすいうえに、こぼれにくいという利点があります。
  3. 持ちやすいフォークやスプーン 持ち手が太くて握りやすいものや角度をつけることができるもの、持ち手が工夫されているものを使いましょう。
  4. はし
    バネのついているピンセットのようなはしを用意しましょう。

4.らくらく口腔ケア

1)口腔ケアでお口の健康を維持しましょう。

食事をおいしく食べるには、お口が健康であることが第一です。
老化が進むにつれて、咬む力や飲み込む力は、衰えてきます。
お口の健康を維持し、おいしい食事をするには、口腔ケアと口腔機能訓練が欠かせません。

  1. 食べるたびに、入れ歯が外れる。
  2. 食べ物が咬みづらい。
  3. 濃い味を好むようになった。
  4. 「むせ」やすくなった。
  5. 食が細くなった。
  6. 声が小さくなった。
  7. 言葉がはっきりしなくなった。
  8. 口臭が強くなった。

このような症状があったら、当医院にご相談下さい。

毎日の口腔ケアの積み重ねが、お口と全身の健康につながります。
口腔ケアをすることで、病気を積極的に予防することができます。

強い口臭がするとか、食が細くなった、最近よく熱をだすなどの症状が見られる場合は、口腔ケアが不十分な可能性があるので見直してみましょう。

5.口腔ケアの介助と姿勢

なるべく自立させるように、自分で歯ブラシを持って、口の中を磨いてもらいます。
でも、自分で口の中を磨きたくても磨くことができない場合は、高齢者の状態や介護の必要度、病気の程度などにあわせて、安定した姿勢を確保し、介助者がケアを行います。

介助者が口腔ケアをおこなううえで、誤嚥を防止するための正しい姿勢があります。また、衣服を汚さないために、首にタオルをまいたり、エプロンをかけたりしましょう。

1)ベッドでの口腔ケア

可能であれば、上半身を30度に起こします。

2)いすでの口腔ケア

床に足がきちんとつく状態で行うことで、踏ん張りが利くようになります。

3)寝たきりの人の口腔ケア

座ることのできない場合は、寝たまま、なるべく横向きにします。
クッションなどをあてて、身体を安定させます。
身体を横向きにして、枕をあてて、顔の下にバスタオルをしきます。
横向きが無理な場合は、仰向けのまま、顔だけを横に向けます。

6.口腔ケア介助のポイント

口腔ケアの介助も、基本的には、他の介護と同じです。プライドを傷つけることのないように、さりげなく介助して下さい。

高齢者や介護の必要な人が、一番なれている人が行うことが、理想です。

1)できることは、本人にしてもらいましょう。
2)安全な口腔ケアを行いましょう。
3)生活にリズムを作りましょう。
4)無理に行うことはやめましょう。
5)訪問歯科診療などのサービスを利用しましょう。

「訪問歯科衛生指導」や介護保険の「居宅療養管理指導」などを利用して、歯科医師や歯科衛生士などが自宅を訪問して行う口腔ケアサービスを積極的に利用しましょう。
その際は、桜川歯科医院にお任せ下さい。

6)自分で口を開けることができない人は、無理矢理、口をこじ開けることはやめて下さい。

7.歯と全身の健康

1)口の汚れが、健康状態を左右します。

つい最近まで、高齢者や病気や障害で寝たきりになった人に対し、「まさか、口の中の汚れで死ぬはずがない」と思われていました。

でも、口の中の汚れが全身状態に重大な影響を及ぼすことがわかってきました。

2)「誤嚥性肺炎」は、口の中の細菌が引き起こします。

高齢者や寝たきり老人の死亡原因トップは、肺炎です。
口腔ケアすることで、誤嚥性肺炎を予防することができます。

3)「歯周病」が全身に悪影響を与えます。

歯周病は、歯と歯槽骨に悪影響を与えるだけではないことも分かってきました。

歯周病菌は、血管の中に侵入しアテローム性の動脈硬化症の原因菌になることも判明しています。それだけではなく、歯周病菌が原因で虚血性心疾患や、脳梗塞も起こすとさえいわれています。糖尿病に関しては、症状を悪化させるだけでなく、糖尿病が歯周病をさらに悪化させることも知られています。

また、歯周病が原因で歯がなくなると、良く咬めなくなるので、胃腸に負担がかかり、栄養状態の悪化を招きます。

4)入れ歯を入れずにほったらかしでいると、健康状態が悪化します。

入れ歯を入れていない時間が長ければ長い程、年齢が増すごとに、健康に対する不安の深刻度も増加します。入れ歯を装着しないで、普通に歩行しても、踏ん張りが利かなくなり、つまずきやすくなり、けがの原因にもなります。反対に入れ歯を装着することで、歩行時の歩く歩幅やリズムが安定します。

5)口の状態の改善は、生きる意欲につながります。

口の中が清潔で、健康な状態になれば食べ物を咬んだり、飲み込んだりする機能である、咀嚼機能(ソシャクキノウ)も向上します。咀嚼機能が向上するとダ液の分泌量が増すため、消化吸収が促進され、身体も健康なります。自分の口からおいしく食事ができるようになると、栄養状態が改善されて、体力、抵抗力がついてきます。身体機能が改善されると、外に出かけたくなり、他人との会話も弾み、生きる意欲がわいてきます。

6)咬むことは老化防止になります。

咬むことは、脳への血流を増加させ、脳の働きを活発にし、常に脳に刺激を与えていることになります。咬むことは、老化や、痴ホウの予防につながるのです。

8.嚥下障害

1)嚥下障害とは?

水や食べ物がうまく飲み込めずに、食道ではなく気管に入り込むことを「嚥下障害」といいます。口腔ケアをしていない場合は、「誤嚥性肺炎」といって、口の中の細菌を肺に送り込み肺炎を起こしやすくしたりします。この誤嚥性肺炎は、高齢者の生命を危険にさらす病気です。

嚥下障害は、口腔機能の低下などによって起こります。特に脳卒中(脳血管障害)になると、その後遺症で摂食機能障害・嚥下障害を起こしやすくなります。

2)誤嚥を防ぐリハビリテーション
  1. 「むせる」練習をしましょう。
    むせることは、異物を気管に入れないために、反射的に吐き出す行為で、とても大切な自己防御反応です。
    お腹に手を当てて、腹筋を使って、勢いよく咳をする練習をしましょう。
  2. 口腔内のマッサージをしましょう。
    1. 口を閉じて、空気を口いっぱいためて、頬を膨らませたり、ゆるめたりを2~3回行います。
    2. 口を大きく開いて、舌をだしたり、引っ込めたりしましょう。
    3. 舌で左右の口角を2~3回触りましょう。
3)誤嚥を防ぐ食事の介助法・「うなずき嚥下」 の方法

食べ物を飲み込む力の弱い人の食事の介助には、「うなずき嚥下」が効果的です。

食べ物を飲み込む瞬間に、頭をやや上に上げてから、大きく下に動かします。
飲み込んだ後に、「ハア」と息を吐くと、気管に食べ物が入らないように押し戻してくれます。

4)高齢者に多い肺炎は、寝ている間に進行します。

日本人に多い死因は、がん、心筋梗塞(しんきんこうそく)、虚血性心疾患(きょけつせいしんしっかん)、脳血管疾患、肺炎・気管支炎などがあります。 特に肺炎・気管支炎での死亡の90%は、65歳以上の高齢者です。

肺炎・気管支炎は、高齢者の健康管理と密接な関係があります。肺炎・気管支炎で死亡する高齢者をすくうために、口腔ケアが大切であることは、すでに証明されています。

誤嚥性肺炎を起こした人の多くは、本人も気づかない、睡眠中が最も多いようです。

5)安全に食事をするには、姿勢が大切です。

誤嚥を防いで安全に食事をとるには、首の角度がとても大事です。

  1. 正しい食事の姿勢
    上半身を起こして背中をやや丸めて、少し首を前屈させます。この姿勢で、食べ物を飲み込むと、のどが上下に動きやすくなります。
  2. 危険な姿勢
    リクライニングで身体が反り返った姿勢や、介護者がうえから介助する姿勢は、首がのびて飲み込めません。また、気管が開ききった状態が続くため、食べ物が気管に流れ込んで窒息する場合があるので注意しましょう。
  3. 座れない人の安全な食事姿勢
    首が軽く曲がる(約30度の角度)になるように、枕やタオルをあてて前屈させます。
    こうすると、食べ物は食道に流れ込みやすくなります。
ポイント

食べ物がよく飲み込めなくなると、「誤嚥性肺炎」などの病気を起こす原因になります。

要介護者で「嚥下障害が疑われたら、桜川歯科医院に相談し、在宅口腔検診を受けましょう。

安全に食事をとるためには、上手に飲みこむことが重要ポイントになります。嚥下機能低下を防ぐことが、誤嚥の予防につながります。

9.口腔ケアとうがい

1)高齢者には、「ぶくぶくうがい」が最適です。

うがい方法の分類

  1. 上を向いてのどの奥でがらがら洗う方法「がらがらうがい」
    この方法は、誤嚥の恐れがあるので、高齢者や病人、障害者には不向きです。
  2. 口を閉じて頬を動かして洗う方法「ぶくぶくうがい」
    うがいだけでは、歯石や歯垢は落とせませんが、食べ物カスや粘膜についた粘液は洗い流す
    ことができます。口の中がさっぱりするうえ、口腔内が清潔になれことで、誤援性肺炎の予防につながります。
2)うがいができる人の条件

健康な人なら簡単にうがいはできますが、高齢者では誤嚥の危険が常にまとわりつきます。

うがいをするための条件

  1. 意識がはっきりしている人
  2. 唇を閉じることができる人
  3. 水を吐き出すことができる人
  4. 舌や頬を動かすことができる人
  5. 頭をのけぞることができる人
3)安全にうがいをする方法
  1. 少し前かがみの姿勢で行います。
    <起こすことができる人の場合>
    上体が後ろに倒れていると誤嚥しやすくなるので、真直ぐか、少し前かがみの姿勢で行います。
    <寝たきりの人の場合>
    身体を横に向けた位置、背中に枕などをあてて上体を15度に起こした上体で行います。
  2. 水は飲み過ぎないこと
    うがいの水は、水道水、ぬるま湯、さめたお茶、レモン水、うがい薬などを使います。
    1回に口に含む量は、あまり多くしないで下さい。だいたい20~30ml程度にします。
    ストローなどで吸い込んでもらいましょう。
  3. うがいができない人の場合
    筋肉や神経のマヒや意識レベルが低下して、自分でうがいできない人の場合は、介助者が口の中を洗い流したり、ガーゼなどでふいて、口の中を清潔に保ちましょう。
    <洗い流し>
    服がぬれないように首の回りにタオルを巻き、受け皿を当てます。顔を横に向けて唇を少し引っ張り、吸い飲みなどで水やうがい薬を少しずつ注ぎ、反対側から受け皿洗い流します。
4)高齢者の口腔清掃

指や割ばしなどにガーゼをまいて湿らせ、くるくると小さな円を描きながらこすります。歯だけではなく、歯肉、舌をふきましょう。 ガーゼには、水や冷たいお茶、液体は歯磨き、イソジンガーグルなどをつけます。

  1. 口角に人差し指を入れて、少し引っ張って口の中に入れます。
  2. 奥から手前にふいて、誤嚥を防止します。
  3. ガーゼの湿らせすぎに注意しましょう。

うがいで口の中をさっぱりあらい流すと、気分もすっきりします。慌てずに個人のペースに合わせてゆっくり行い、うがいを日課の中に取り入れましょう。

10.口臭

口臭は、口の問題だけではありません。社会生活に直結した問題で、影響力が多大です。口臭をそのままにしないで下さい。

1)高齢者の口臭

<問題点>

口臭は、自分で気がつかないことが多いので、孫に「口が臭い」と言われたり、人と話をしていて、顔をそむけられたリすると、本人は原因が分からないので、混乱して悩んでしまうことが多いものです。

孤立感や疎外感をいだいて、深刻化するとうつ病になるなど、口の中のトラブルでは済まされなくなってしまうことがあるので、十分な注意が必要です。

2)口臭のでやすい人
  1. 歯磨きをしない人
  2. ダ液の分泌量が低下している人
  3. 全身疾患がある人
  4. 虫歯や歯周病のある人
  5. あまり会話をしない人
  6. 入れ歯の汚れている人
3)口臭を防ぐためのケア

第一にすべきことは「口腔ケア」です。

  1. 歯や舌などをブラッシングします。
  2. 歯周病や虫歯は、治療しましょう。
  3. 全身疾患のある人は、治療すること。

11.最後に

医療法人愛和会桜川歯科医院では、一人でも多くの方に楽しい毎日をお過ごし頂けるよう、在宅口腔ケアを行っております。 この機会に、ぜひ当医院へご相談下さるようお願い致します。

『口の汚れが、健康を左右する事!』知っていますか?!

桜川歯科医院では、 在宅訪問歯科診療を行っています。 反響の大きさにスタッフ一同、戸惑っています! お気軽にスタッフまでおたずね下さい!

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